世間ではDX、DX・・・とバズワードみたいになってるけど、結局何なの?何で必要なの?IT化と何が違うの?初心者にも分かるように教えてほしい。
何処もかしこも口を開けばDXの話題ばかりですね(言い過ぎ)。
日本にもDXの波が来ていることを私もひしひしと感じています。
そんな中、この波に乗り遅れないように「DXって結局何なのか?」を理解されようとしているのではありませんか?
本記事では、初心者の方にも易しく理解いただけるようにDXの「基本のキ」をまとめました。
「DXを初めて学ぶ方」「何となく知ってるけど改めておさらいしたい方」には、非常に有益な情報となっていますので、是非最後までお読みください。
【記事を書いた人】
☑️ 事業会社にてDX推進兼DX人材育成経験 約3年
☑️ AI資格の代表であるJDLA G検定・E資格を取得済
☑️ DX検定にてDXプロフェッショナルに認定
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DXとは
概要
DXとは、Digital Transformationの略です。
直訳すると
となります。
これだけだと「デジタルで何が変容されるの?」となってしまいますね。
広い意味では、私たちの生活も含まれるのですが、主なターゲットはビジネスです。
従って
次に思うのは「どのように変容するの?」の部分ですね。
ここからは、経済産業省のDX定義を元に解説していきます。
企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。
経済産業省 DX推進ガイドライン より引用
ここでは、大きく二つの「どのように」が書かれていますね。
☑️ 顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革する
☑️ 業務そのものや、組織、プロセス、企業文化、風土を変革する
どちらも単なるデジタル技術を
変革とは、
従って、DXには
抜本的にビジネスおよび、企業そのものを変革させるということが書かれているのが分かりますね。
これは、単なるデジタル技術を使ったツール導入や、部分的な業務効率化とは一線を画すということが分かると思います。
つまり、
と覚えておいていただければと思います。
身近なDX事例
ここでは、私達の生活に大きく影響している身近なDX成功企業の事例を紹介していきましょう。
Amazon
最も有名なDXの成功企業です。
もはやAmazonの存在が当たり前過ぎて、どこがDXなの?と思う方もいるかもしれません。
Amazonは1994年創業で「世界初のオンライン前提の書籍販売サイト」を開始しました。
もちろん、他にも書籍のオンライン販売を行う企業はありましたが、実店舗の延長程度としか考えておらず、次々に失敗していました。
ユーザレビュー機能や、関連書籍のリコメンド機能など、オンライン前提であることを活かした機能を実装しました。
今でこそ、当たり前の機能と言えますが、これによってAmazonは、膨大な顧客の声や行動のデータを獲得できたんですね。
ご存じのとおり、Amazonは書籍販売に留まらず、世界最大のEコマース企業へ成長しました。
また、IT界隈の方なら、AWS(Amazon Web Service )というサービスをご存知でしょう。
AWSは、元々AmazonがECサイト用に自社で運用していたサーバの一部(閑散時間帯の有効活用)を外部に貸し出すというところから始まっています。
今や、ECよりもAWSの方が圧倒的に収益が高くなっています。
Netflix
Netflixは、デジタルによってコンテンツ配信を変革した世界的なDX成功企業です。
Amazonと同様に、Netflixでも顧客の視聴履歴データに基づいたリコメンド機能など、顧客の個別ニーズに合わせたコンテンツを配信しました。
但し、Netflixの凄さはそれだけに留まりません。
ということをやっています。
さらに、Netflixはオリジナル作品も製作しています。
特筆すべきは「インタラクティブ」映画です。
これは、
というものです。
そこまでやってのける動画配信サービスがこれまで存在したでしょうか?
Netflixは、デジタルによってコンテンツ配信の在り方を再定義したと言っても過言ではないでしょう。
Netflixを見始めたら、止まらなくなって一日終わってしまった、なんて方も多いのではないでしょうか?
データによって視聴者の好み・ニーズを完全に把握しながらリコメンドしてきた上で、エンディングまで自分で選べてしまうなんて、中毒性の塊と言っても良いでしょう。
ちょっとボリュームが出てきているので、これくらいにしておきましょう。
ここでお伝えしたいのは、
DX進展の背景と必要性
DX進展の背景:
デジタル技術の急速な進歩
大きな背景としては、近年のデジタル技術の急速な進歩です。
特に大躍進しているのが、ディープラーニングを代表とするAI領域です。
事例として紹介したAmazonやNetflixも顧客のデータを解析するためにAI技術をふんだんに活用しています。
他の最新のデジタル技術としては、ブロックチェーンや5G、仮想現実(AR/VR)など様々あり、一つの技術ではなくそれらの組合せによってこれまでとは比べ物にならないほどのスピードで進化していくと言われています。
興味ある方は以下の書籍を一読いただくのも良いと思います。
DXの必要性
ここでは日本におけるDXの必要性についてお伝えします。
先の背景で触れた通り、デジタル技術の進歩により、ビジネスへのデジタル活用可能性が広がりました。
しかし一方で、これらをうまく活用できなければ、企業は生き残れないかもしれないという問題が生じています。
デジタルディスラプションへの対応
事例でご紹介したAmazonやNeflixは、まさにデジタルディスラプターの代表です。
実際にAmazonの登場により、日本では店舗での買い物が39%も減少したと言われています。
Total Retail Survey 2017より引用
実店舗主体の小売企業には、非常に大きな脅威です。
Netflixも、メディア配信の主戦場をTVや映画からインターネットへと大きく変容させました。
労働人口減少への対応
日本はそもそも全体の人口が減少しており、これはもはや防ぎようがないと言われています。
そのような中、労働人口も約6400万人から4000万人弱まで減少すると予想されています。
(労働人口としては約4割の減少となります)
みずほ情報総研のレポートより引用
資本主義で経済を回していく以上、経済を成長させていく必要があります。
外国人の移民を受け入れて、労働人口を維持するという方向性もありますが、デジタルを活用することで業務効率を向上、生産性を上げる必要があると言えるでしょう。
国際競争力の向上
最後に、日本の国際競争力の低下の面も挙げておきましょう。
2021年の国際競争力ランキングで、日本は31位となっています。
これはG7の中では最下位という何とも残念な結果です。
三菱研究所レポートより引用
特に、近年においてはビジネス効率性の低さも指摘されており、デジタルによるビジネス効率向上が必要とされています。
三菱研究所レポートより引用
DXの段階・レベル
Digitization:業務プロセスの自動化・効率化
Digitalization:ビジネスプロセスの変革や顧客への提供価値向上
Digital Transformation:ビジネス自体が変わる
DXとIT化との違い
DXの概要や必要性については分かったけど、IT化とはどう違うの?
この点、疑問に思っている方も多いでしょう。
様々なサイトや文献などを漁り、様々な言い方があるのですがそれらを集約し、私なりの最もシンプルな回答をお伝えします。
DXの目的は、ビジネスを変容することです。
一方IT化の目的は、業務を効率化することです。
どちらもIT、デジタル技術を活用しますが、目指すゴール(目的)が違うんですね。
また、IT化は、DXのための手段と位置付けることもできます。
ちなみに、最近は、DXに関連する言葉として、デジタル化(Digitalization)という言葉も出ています。
デジタル化と言うときも、目的は業務効率化を指すことが多いです。
ここでは簡単にIT化 ≒ デジタル化(Digitalization)くらいに捉えて頂いてOKです。
最近は、DX( Digital Transformation)に対して、デジタル化(Digitalization)という言葉も出ています。
デジタル化と言うときも、目的は業務効率化を指すことが多いです。
ここでは簡単にIT化 ≒ デジタル化(Digitalization)くらいに捉えて頂いてOKです。
【最後に】DXは全ての人に関係がある
DXは全ての人に関係がある
私は営業職だし、DXなんて関係ないですよね。
エンジニアとかデータサイエンティストとかそういう人たちが頑張れば良いんではないかな?
実は、そうも言ってられません。
もはや、DXは全ての人々に関係のあることと言えます。
実際に、このようなWEBサイトが経済産業省などから立ち上げられています。
Di Lite公式HPより引用
「デジタルリエテラシーを全てのビジネスパーソンに」のキャッチコピーにある通り、全てのビジネスパーソンが学ぶべきデジタル・ITスキルについてまとめられています。
しかし、幸いなことに日本においてはDXの取り組みを本格的に始めた企業はまだほんの数%程度です。
従って、今この記事を読まれた方は、非常に良いタイミングと言えるでしょう。
これから、学び始めることで、今後のDXが浸透した社会においても高い市場価値を維持し、企業で活躍できるでしょう。
これから本格的にDX人材になりたい、学びたいと言う方向けの記事も作成していますので、よければこちらもご一読ください。
少しでもあなたの学びになる内容になっていれば幸いです。
今回は以上です。