【WEBエンジニアvsAIエンジニア】未経験からキャリアスタートするならどっち?

未経験からIT関連のエンジニアを目指すならWEBエンジニアとAIエンジニアどっちを選べば良いの?

IT関連エンジニアの人材市場が活況ですね。

特に、ITエンジニアの花形であるWEBエンジニアと、近年急速に技術革新が進んでいるAI領域のエンジニア(AIエンジニア)は、求人倍率も10倍以上と言われており、引く手あまたの状況です。

しかし、初心者からどちらのキャリアでスタートするか悩んでいる方も多いのではないでしょうか?

そこで当記事では、ITベンダーにてWEBエンジニア(ITエンジニア)としてキャリアをスタートし、現在は事業会社においてAI活用などDXを推進している立場から、それぞれの違いを踏まえた

「あなたに合うキャリアスタートはどちらなのか?」をしっかり解説していきます。

年収や将来性、実際のキャリアスタートに向けた学習方法などもお伝えしていきますので、是非最後までお読みください。

【記事を書いた人】
☑️ IT経験17年目、文系からITエンジニアとしてキャリアをスタート

☑️ 現在は、事業会社にてDX推進兼DX人材育成を担当(3年以上)

☑️ JDLA G検定E資格を取得済

☑️ DX検定にてDXプロフェッショナルに認定

プロフィール詳細はこちら

はじめに

感覚的にはWEBエンジニアの方がキャリアスタートとして始めやすいように考えられている人も多いのではと思います。

実際それも一理あり、WEBエンジニアとしてアプリケーション開発を一通り経験してからAIエンジニアになることで、AIアプリ開発エンジニアにスムーズに転身することが可能です。

しかし、現在は開発環境や学習環境、実プロジェクトの稼働状況も踏まえて、最初からAIエンジニアとしてスタートすることも十分可能になっています。

従って、どちらを選択するかは本当に個人の志向次第だと考えます。

本記事では、WEBエンジニアとAIエンジニアの違いを踏まえて、「あなたにどちらが合っているのか」を明らかにしていく流れで進めていきます。

WEBエンジニアとAIエンジニアの違い

どちらもIT関連のエンジニアなので共通点も多くなりますが、一方で明確に異なる部分があります。

それは、エンジニアとしての軸足となる仕事のスタイルです。

WEBエンジニアの成果物はWEBアプリケーションです。

これは、基本的に関係者と要件を合意できれば、技術的に実現可能である前提で、開発を進めます。

従って、その要件に合う成果物をどのように効率的に作るかと言う

モノ作りエンジニアとしてのスタイルが強くなります。

一方、AIエンジニアの成果物は、AIモデルまたはAIモデルを組込んだアプリケーションとなります。

この場合、開発するAIが期待通りに動くかは、やってみないと分かりません。

従って、データを駆使しながらAIの精度を上げていくための仮説検証を繰り返す、

研究開発エンジニアとしてのスタイルが強くなります。

この違いから、両者の携わる開発プロジェクトのスタイルも以下のように異なります。

  WEBエンジニア AIエンジニア
開発プロジェクトゴールの明確さ 明確 曖昧
開発チームの人数 多人数 少人数
開発プロセス・ルールの明確さ 明確 曖昧

必ずこうだと言う訳ではなく、傾向の違いであることをご理解くださいね

必要スキルの違い

それでは、具体的にどのようなスキルの違いがあるのか見ていきましょう。

◎:特に求められる ○:求められる △:あれば尚良し

カテゴリ スキル例 WEBエンジニア AIエンジニア
共通的なスキル データベース・データ操作(SQL等)
インフラ(クラウド、ネットワーク)
セキュリティ
プログラミング ○(Ruby、PHP、Javaなど) ○(Python)
プロジェクトマネジメント
仮説検証
WEBエンジニア寄りのスキル WEBアプリケーションの設計・開発・テスト
AIエンジニア寄りのスキル 機械学習、ディープラーニングの理論や実装方法

分かりやすさを重視するために敢えて簡易的な表にしております。

違いのある部分について解説していきましょう。

プログラミング

どちらもプログラミングスキルは求められますが、主に使用するプログラミング言語が異なります。

WEBエンジニアは、RubyやPHP、JavaなどWEBアプリケーション開発に頻繁に利用されている言語を習得する必要があります。

一方AIエンジニアは、ほぼPython一択です。理由はAI開発に必要なライブラリ(開発キット)がPythonで抜群に充実しているためです。

プロジェクトマネジメント

前述の通り、WEBエンジニアの参加するプロジェクトの方が多人数になる傾向があります。従って、プロジェクトマネジメントが色濃く求められるのはWEBエンジニアの方となります。

仮説検証

こちらも、前述しましたがAIエンジニアが開発するAIモデルは、プロジェクト開始時点で本当に期待通りの動きをするかは分からない状態でスタートします。

従って、適切に仮説検証を繰り返しながらAIモデルの精度を上げていくスキルが必要となります。

WEBアプリケーションの設計・開発・テスト

こちらは言わずもがなですね。WEBエンジニアの肝となるスキルです。

WEBアプリケーションのフレームワーク(RubyOnRails、Laravelなど)や、テストの自動化(Selenium)、開発プロセスを標準化するためのツール(Git、Github)など一通り身につけておく必要があります。

一方でAIエンジニアもAIアプリ開発のスキルも一定あることが望ましいため、△を入れております。

機械学習、ディープラーニングの理論や実装方法

最後に、こちらもAIエンジニアの必須スキルです。

機械学習やディープラーニングの理論を理解するには、その裏にある数学の理論も理解する必要があると言う意味では理系人材の方が有利と言えます。

また、AI領域では通常のITよりも技術進歩のスピードが異様に速いです。1年前までにトレンドであった技術やツールが翌年には陳腐化し、新たな技術に取って替えられてしまうと言うことが頻繁にあります。

従って、常に最新技術を追いかけていたいと言う人にも、非常にマッチすると考えられます。

年収の違い

次に年収の違いを見ていきましょう。

WEBエンジニア

web_nenshu

求人ボックスより引用

AIエンジニア

aie_nenshu

求人ボックスより引用

全職種の平均年収が436万円と言われていますので、どちらも比較的高年収と言えます。

二つの平均年収の差は、32万円ということで月額にすると2.5万円程度となりますので、そこまで大きな違いではないでしょう。

将来性の違い

私の結論からお伝えすると、条件付きでどちらも将来性は高いと考えています。

条件付きと言ったのは、以下です。

受け身ではなく、新たな価値を提供しようという姿勢で仕事をする

基本的に、IT関連の人材は人手不足が続くと言われています。

みずほ情報総研資料を元に作成
しかし、一方で従来型のIT人材は、10万人ほど余ると言う試算もあります。(上記グラフ水色の部分)

せっかく晴れてWEBエンジニアやAIエンジニアになったとしても、現状に滞まり学習を怠った場合は、余る側の人材に回ってしまうかもしれません。

近年ではDX(Digital Transformation)と呼ばれるデジタル技術によって社会を変革していこうと言う動きが高まっています。

IT人材として進化していくためのDX人材について詳しく解説している記事もありますので、参考にしてください。

【最後に】あなたに合うのはどっち?

これまでの話からWEBエンジニア、AIエンジニアそれぞれに合う人のタイプをまとめました。

WEBエンジニアに合う人

☑️ モノ作りを楽しめる人

☑️ チームワーク重視で働きたい人

☑️ 明確なゴールに向かって仕事をすることにモチベーションが高まる人

これからWEBエンジニアを目指す方におすすめのプログラミングスクールについてもまとめておりますので、是非参考にしてください。

AIエンジニアに合う人

☑️ 仮説検証を繰り返しながら自分なりの答えを出すことを楽しめる人

☑️ AIの裏にある数学的な理論を理解するのが好きな人

☑️ 常に最新の技術や理論を追いかけていたい人

☑️ 【2022年版】給付金を貰えるAIエンジニア育成講座おすすめ3選

☑️ 【AI初心者向けに厳選】2022年版おすすめのE資格講座3選 

もちろん、キャリアは一本道ではありません。

まずはWEBエンジニアとしてキャリアを積んだ後にAIエンジニアに転身なども可能ですので、あなたの興味や志向に合わせて、キャリアをデザインしていただければと思います。

本記事が少しでもあなたのキャリア形成に役立てば幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

今回は以上となります。