文系でもSEになれるの?やっぱりやめておいた方が良い?
IT需要の高まりから、このように考えている方は多いのではないでしょうか。
結論からお伝えしますと「文系・未経験からでもSEになれる」です。
根拠は、私が全く同じ状況からSEになり、10年以上継続できていることです。
しかし、苦労するポイントもあります。そして、実際に私はありました。
今回の記事では、ドがつく程の文系かつ未経験からSEになった私の経験を踏まえ以下をお伝えします。
私のプロフィールです。
・IT系会社員歴15年、現役社内SE10年目
・事業会社での社内SE経験2社
・大手ヘルスケア企業にて全社のデジタル・IT企画、推進に従事
・ITストラテジスト、プロジェクトマネージャなどのIT資格多数取得
詳しくはこちら
また、今後のIT人材がどうなっていくのかという私の見解もお伝えしたいと思いますので是非最後までお読みいただければ幸いです。
文系でもSEになれる理由
理由①:実は門戸が広い
SEは理系の職種だから文系の自分にはどうせ無理よね・・・
このように考える方が一定数いるようですが、随分前からITエンジニアは文系理系関係なく採用されています。
以下は、国内最大手のSIerであるNTTデータの新卒採用情報です。
リクナビ2022 株式会社NTTデータ 採用データより引用
https://job.rikunabi.com/2022/company/r964800073/employ/
3割〜4割程度は文系卒になっています。
IT人材が不足しているという理由もありますが、これは文系人材にも一定の優位性があるためと私は考えています。この点は後述します。
理由②:学習機会の充実
前述の通り、SEになるのに学部による縛りはありません。
その為、多くの場合企業側では、未経験者が入社することを前提とした教育研修を準備しています。
研修期間や内容は、企業によって様々ですが、技術系の職種では平均は3ヶ月のようです。
言うまでもなく、教育研修には力を入れている企業を選ぶようにしましょう。
参考サイト:https://cam-training.jp/news-column/3224
また現在では、インターネット上の無料・安価な学習コンテンツがいくらでもあります。
無料のプログラミング学習サイトが纏っている記事がありましたのでご参考まで。
さらに現在は、国(経産省)がIT関連の無料講座の紹介をしています。
AIやDX関連の無料講座が複数掲載されているサイトがありますので、こちらも是非ご覧ください。
これらは私がキャリアをスタートした15年前には、ほとんどありませんでした。
2021年現在の方がより未経験者にもチャンスが拡がっていると思います。
理由③:文系の強みを活かせる職種がある
これらは技術力も必要ですが、最も必要なのはコミュニケーション能力です。
文系人材は、コミュニケーション力に長けている場合が多く、こういうキャリアパスを見据えて企業は文系人材も多く採用しているのです。
実際、私もプログラミングスキルはそれほどでしたが、他者と協調してプロジェクトを推進する素養を買われ、2年目以降はずっとプロジェクトリーダーとして携わるようになりました。
文系ITエンジニアの苦労ポイント
ここでは、特に私がSEとしてのキャリアをスタートした時の経験を元に苦労ポイントをお伝えします。
加えて、私が実際に行った対策もお伝えします。
苦労ポイント①:圧倒的にIT知識不足
数ヶ月の新人研修を受けただけで、いきなり現場で通用するほど甘くはないからです。
従って、先輩や上司が話していることにまずついていけません。
分からない言葉をメモして、後でインターネットで調べてみたりしますが、その説明文に出てくる単語の意味も分からないという絶望感に苛まれます。
そのような時に私がやっていた対処法はこちらです。
対策①-1:知識体系化の為の資格取得
何から学習すれば良いか分からない、覚えることが多すぎる・・・
とにかくキャリア初期は、このように悩んでしまいます。
全体像が分かれば、「じゃあここから攻めようか」と言うのが自然と分かってくるのです。
この全体像を効率的に習得できるのがIT資格(特に情報処理試験)だと私は考えています。
特にキャリア初期(1年未満)の方にはITパスポートの学習がオススメです。
ITパスポートは、エンジニアだけでなく全社会人が習得すべきIT知識と謳われている資格試験ですので、取得しておいて損はありません。
対策①-2:自作IT用語集で知識を整理
(先輩SE)
検証環境へのリリースでは、まずリポジトリにコミットされたソースをマージして、ビルドする。それで出来上がった実行モジュールをサーバへデプロイするんだよ。
じゃあ、あとはやっておいてね。
(SE一年目の私)
分かりました!(何言ってるかさっぱり分からん・・・)
キャリア初期の頃、このような説明に悪戦苦闘の日々でした。
分からない用語は、先輩に直接きけるなら、ききまくるのが一番ですが、なかなか現実的ではないですよね。
理想は、チームや部署内で共有できるようにすることですが、難しければ自分専用でもOKです。
IT用語集なんてインターネット上にあるのを使えば良いのでは?
理由は、用語を説明するための周辺用語も分からないことが頻発するからです。
従って、ちょっと用語を調べるだけでは不十分であり、きちんと周辺用語まで調べた上で
自分なりの文章と自分の業務に合う形での整理(アウトプット)が非常に重要です。
最初は途方に暮れる感覚に襲われますが、一日一用語ずつでも良いので、継続していくことをオススメします。
慣れてくれば、頭の中で整理が自動的にできるようになりますよ。(経験談)
ちなみに私がよく使っていたのはIT用語サイトは、e-words でした。
苦労ポイント②:プログラミング習得が同僚より遅い
SEとしてキャリアをスタートするにあたり、まずはプログラミングから始める方が多いと思います。
何故なら、多くの文系の人はこれまでの人生でプログラミングはおろか、そのような考え方に全く慣れていないからです。
プログラミングには、論理的な構成力・設計力そして、緻密さが必須です。
従って、周りのプログラミング経験者は勿論、理系の元々論理的な考え方や緻密な作業が得意な同僚・同期から置いていかれることになります。
ここで「自分は向いていないかも」となります。
しかし、これは仕方ないです。これまでやってこなかったことをいきなり出来る訳がありません。
まずは開き直りましょう。その上で以下の対処法がオススメです。
対策②-1:プログラミング以外で活躍できる領域を見つける
SEの業務はプログラミングだけではありません。
従って、それ以外で活躍できる領域を見つけられるとメンタルを安定させることができます。
私のオススメは、知識量がモノをいう領域です。
・サーバ、ネットワーク、セキュリティなどのインフラ領域
・データベースソフト等のミドルウェア領域など
私は「先輩たちとの差を埋める効率的な方法は何か?」とよく考えていました。
そして、その一つの答えが
だったのです。
実際、私の部署はアプリケーションの開発部署だったので、周りはプログラミングやテスト等の開発プロセスに強い人材は多くいましたが、インフラ、ミドルウェア周りが強い人は少なかったです。
そこで、当時開発中のアプリのDBとして使われていたOracle Databaseの環境周りについて強くなろうと決心しました。体系的に知識を習得することで周囲との差別化を図ろうと考えました。
ここでは技術的な領域で例を挙げましたが、業務に役立つことであれば何でも良いです。
・議事録作成やマニュアル整備などのドキュメンテーション
・ヘルプデスクなどの電話対応
・他部署社員や、顧客との関係構築
これらのこともできれば、自信にもつながりますし、無用な劣等感を持たずに済みます。
対策②-2:並行でプログラミングもコツコツ習得
対策②-1の方で一定の地位を獲得できれば基本はOKですし、そのまま専門家として突き抜けていくのもアリです。
しかし、私は折角SEになったのなら、プログラミングを完全に無視するのもどうかと考えています。
やはり、ITに関わる人材にとってプログラミングは基盤スキルであり、習得しておいて損は無いと考えるからです。
実際、私はAIエンジニア資格であるE資格を取得しましたが、その際にもプログラミングができることで取得のハードルが大きく下がりました。
E資格の取得記事はこちらです。
経験1年未満の方は、是非1年を目処にコツコツ習得することを目指してみましょう。
1年の根拠は、最初どうしようもなくプログラミングが苦手だった私が、人並みにできるようになった期間が1年間だったことです。
今思うと「慣れの問題だった」と感じています。
これから文系でSEになる方も、最初は苦しくても1年間は継続してみてはと思います。
まとめ
今回は私の経験を元に、文系・未経験からでもSEになれると言う話をお伝えしました。
この流れはより一層強まるというか、今後はあらゆる職種でITの知識が必須になると考えています。
先に触れたITパスポートと言う資格は、ITエンジニア向けではなく全社会人向けのIT知識習得のためのものです。
実際に、事業会社で全社員にITパスポートを取得させるような動きも出ています。
さらに以下の記事では、全就業者をIT人材化するというようなことが掲載されています。
以上より、文系でもITエンジニアには勿論なれると言うことに加えて、いずれにしてもITスキルの習得は避けては通れないと考えています。
従って、早い段階から習得しておいて今後のキャリアに活かしましょう!
ということを最後にお伝えして本記事は以上とさせていただきます。
最後までお読み頂き有り難うございました。
それではまた!