社内SEが楽だと言われる理由4つと実態解説【現役社内SEより】

社内SEは楽って言われてるけど本当?実際の所を知りたい。

一般的に社内SEは、ベンダー側のSEと比べて楽だと言われています。

※因みにここで言う社内SEとは、一般事業会社の情報システム部門に所属する人たちことを指します。

当記事では、社内SEが楽だと言われる理由と、それに対して実際の所どうなの?と言う部分を現役社内SEである私から解説していきたいと思います。

私のプロフィールです。
・IT系会社員歴15年、現役社内SE10年目
・事業会社での社内SE経験2社
・大手ヘルスケア企業にて全社のデジタル・IT企画、推進に従事
・ITストラテジスト、プロジェクトマネージャなどのIT資格多数取得
詳しくはこちら

先ず、一般的に楽だと言われる理由はこちらです。

・精神的プレッシャーが少ない
・残業時間が少ない
・最新技術へのキャッチアップが不要
・売上、利益ノルマの意識が不要

ここで挙げた【楽だと言われる理由】はどれも概ね合っているというのが私の考えです。

しかし、それぞれ注意すべき点があります。

楽だと言われている理由が全ての人にとって楽とは限らないからです。  

ここからは、一つずつその注意点などを含めて実態を解説をしていきたいと思います。

ちなみに、社内SEに特化した転職エージェントがあることをご存知でしょうか?
ご興味ある方はコチラから

社内SEが楽と言われる理由4つと実態解説

精神的プレッシャーが少ない

ベンダー側のSEの場合、顧客側からのプレッシャーが常に付き纏います。

顧客よりNGと判断されたら担当を交代、あるいは契約先としても見直しが入るからです。

しかし社内SEの場合、あくまで社内要員です。

基本的にクビにはできませんし、少ない人数で回すことが多い為、担当交代も滅多にありません。

従って、情シス部門内や事業部門の社員との長期的な関係構築が前提となります。

必要以上にプレッシャーを高めて成果を出すというよりは、ある意味「仲良くやっていきましょう」という傾向の方が強いと言えます。

私が経験した(している)2社も、同様です。(詳しくはこちら

よほどのことで無い限り、多少の失敗は許容され、次に繋げようという雰囲気がありました。

一方で短期的な関係の方が楽という人もいるでしょう。

ベンダー側にいると、担当プロジェクトの完了や現場の変更により、基本的にはお別れとなります。

従って、短期的だからこそできる関係構築の仕方(一定の距離感、直接的な物言い)もあります。

さらに、社内にいるということは、サービス提供先の事業部との距離も近く、些細な問い合わせ対応、人間関係構築のためのお付き合い(懇親会やの飲み会等のイベント)等も発生します。

これら社内にいるからこそ、必要な部分も多々ありますので、これらをどう捉えるかによって楽かどうかは左右されると思います。

仕事のプレッシャーが少ない代わりに、長期的に同じ人間関係の中で仕事をすることを理解しよう。

残業時間が少ない

これも前述の通り、社内にいるからこそ納期調整がしやすいことが理由です。

ベンダー側にいると、顧客からの急な依頼や、多少の無茶な納期のお願いも対応せざるを得ないケースが多いと思います。(経験談)

顧客から指定された納期に間に合わせ、かつ一定の品質を担保しようと思うと、どうしても残業が多く発生します。

しかし、社内SEは、事業部門からの依頼等に対して、よほどの緊急で無い限り自分で納期を調整することが可能です。

これは、

社内SEと事業部門社員との距離の近さ

にあると私は考えています。

例えば「いついつまでにお願いしたい」という依頼があったとして、その「いつまで」の理由を直接確認することが可能です。

クリティカルなシステム障害でなければ、多くの場合、急ぎではありません。従って、自分のタスクの状況を踏まえて、事業部門側が困らない程度の納期を直接相談しながら決められるということです。

但し、ここも注意が必要です。

納期調整は、自分自身でやらなければいけません。

これまでベンダー側にいた際に、顧客が決めた納期に対して常にフルコミットしてきたような方は、自分の納期調整をするということ自体に戸惑うかもしれません。

これ、実は私のことなのですが、2社目に入社したばかりの頃、事業部門からのあらゆる問い合わせや依頼を全て「なるはや」で対応しようとした結果、タスクが溢れすぎて破綻してしまったことがありました。

残業を少なくするために、自ら積極的な納期調整が必要であると心得よう。

最新技術のキャッチアップが不要

多くの事業会社の社内SEは、既存システムの保守・運用を行なっています。

特に基幹系などの大規模なシステムは、刷新するタイミング以外は、ずっと同じシステムを扱い続けます。

従って同システムを担当している限り新たな技術を学ぶ必要性は高くはないと言えます。

私の経験からお伝えすると、前職の社内SE時代はこの傾向が強かったです。

全社で使われている大規模な基幹システムがあり、その業務仕様さえ押さえておけば、技術的なスキルはほぼ不要でした。

その為、情シス部門としての新技術研究や企画などの機運が低く

技術習得やキャッチアップは完全に個人任せ

となり、多くの社員はそのような取り組みはしない状況でした。

今後皆さんが社内SEとして転職されるなら、このような事業会社はあまりオススメしません。(あくまで個人の主観です)

理由は、DXの必要性の高まりです。本記事ではDXについて深くは触れませんが、今後多くの企業にとってDXの推進は免れられないものになるでしょう。

DXについて詳しくはこちらを参照ください。

今後、社内SEにも最新技術のキャッチアップが求められるのは必然と考えています。

今後のDXの高まりに伴い、社内SEも最新技術へのキャッチアップが必要になると心得よう。

売上、利益ノルマの意識が不要

現在ベンダー側にいても自分自身が売上や利益について考えることは少ないという方もいらっしゃるのではと思いますが、ベンダー側SE(直接部門)⇨社内SE(間接部門)になるという観点でお伝えします。

社内SEの所属する情シス部門は間接部門にあたるため、売上のノルマというものが会社から与えられることはありません。

その代わりに

社内SEが意識しないといけないのは、自らが立てた「予算」

となります。

予算の立て方やタイミングは会社によって異なると思いますが、多くの場合、次期の取り組む予定のプロジェクトや施策などを年度予算として立てて、それを消化していくのではないでしょうか。

社内SEは、必要な予算の確保と、それを実行した際のコントロール力が求められます。

社内では「なぜその予算が必要なのか」「実行時に予算が超過するのであれば、何故超過するのか」などの説明が求められ、自ら関係者を説得する必要があります。

あと「間接部門」という観点で、少し余談となりますが、もう一つ注意点をお伝えします。

特にベンダーSEとして活躍されていた方が社内SEになった際に悩み易い点です。

社内SEは間接部門であることから、多くの場合、社内での立場が弱いです。

立場が弱いということは、事業部門からの多少無茶な要望で合っても聞き入れなければならない場面が多くなるということです。

・売上や利益管理が無い代わりに、予算管理は必要だと心得よう。
・管理部門ならではの社内立場の弱さにも留意しよう。

まとめ

いかがだったでしょうか?

では、最後にまとめましょう。今回は、表形式でまとめさせていただきました!

社内SEが楽と言われる理由実態と注意点
プレッシャーが少ない仕事のプレッシャーが少ない代わりに、長期的に同じ人間関係の中で仕事をすることへの理解が必要。
残業時間が少ない残業を少なくするために、自ら積極的な納期調整が必要
最新技術へのキャッチアップが不要今後のDXの高まりに伴い、社内SEも最新技術キャッチアップは必須
売上、利益ノルマの意識が不要売上や利益管理は無いが、予算管理は必要。
管理部門ならではの社内立場の弱さにも留意が必要。

当記事が皆さんの参考になれば幸いです。

それでは、また!

社内SEへの転職に興味ある方はコチラから